もう人間はいらない? 中国で盛り上がる無人コンビニ

Money Forward様に寄稿させて頂きました。上海へ、中山へ、旅をしました(なお、その後上海の店舗も再び営業をはじめたようです)。

本文でもすこし触れているように無人コンビ二の本当の面白さは「実は使われているのは新しくもなんともない技術だけどそのコストが障害になり他の国では実現していないものを、業態の再定義というディスラプションによって克服した」ということです。今までの中国のニュービジネスは、環境破壊上等の低コストごり押しや他国では許可されないであろう新技術などを裏づけにしているものが多かったのですが(国によってルールも違うわけで、それが悪いとはいいませんが)、この件に関してはとても全うに頭をひねって新しい業態を開発したといっていいと思います。

簡単に書くと、無人化の最大の効果は実は人件費の圧縮ではなく、バックヤードの縮小(人間がいないので待機場所やレジ裏などが不要)による土地代の圧縮と、それ以上に最小出店面積の制限をとっぱらって、今まで出店できなかった場所にでもできるようになったということでしょう。
また人間が介在しないため法律上は巨大な自動販売機として解釈が可能で、いわゆる小売業としての許認可をすり抜けられる可能性も有ります(これはある意味従来の中国的な新しさではありますが)。ただこれは実態にあわないので、恐らくある程度広まった時点で潰される抜け穴だとは思いますが…。

この方法は新規ビジネスのやりかたとしては教科書どおりで美しい手法ではあるものの、特許や技術などに保護されているわけではなく、真似しようと思えば簡単にできてしまう方法ではあります。現在日本や他の国で実現されていないこと自体が不思議ではあるのですが、恐らく何か僕が気づいていない問題が隠されているのでしょうね。