中国自転車シェアのモバイクとOfo、投資家が合併協議-関係者

​などということをBloombergが出し、なんか色々言われているので簡単に。

まず、ビジネスとしては合併が最適解なのはずっと前から自明。DidiのUber買収を見ても独占禁止法的な概念が中国においてはワークしておらず、であれば独占からの値上げは提供側としては合理的(倫理的にどうか、という点は除き)。

また両社は理念の違いが明確で提供商品も違った出発点に立っていたが、現状はユーザの声etcにより、同質化し始めているのが現状ではある。

加えて公共秩序など、外部からの圧力は高まっており、目下管理コスト急上昇中。この先も不安。

付け加えるなら今に至っても特にMobikeの収益モデルは謎で、財務的にすでに死んでる可能性すら存在する。

…という状況であれば、当事者はともかくとして、投資家としては早期に合併させて上場させて利益確定(゚д゚)ウマーを狙うことは必然。なので報道自体はニュースでもなんでもない。
ただ従前主張しているように、大きなハードルもある。合併するとしてDidiのような完全統合をイメージされて語られることが多いのだが、自転車がライドシェアと違うのは(この点を持って僕はこれを「シェア」と呼ぶのが嫌いなのだが)、シェアサイクルでの自転車は、個人所有のものではなく企業が提供する「規格化された」商品である点。

当然両社の規格は違うので部品にしろメンテにしろその統一にコストがかかる(Uberの車は当然統一する必要がない)。最も単純な話、街中の自転車を回収して新しい色に塗り替えるのか?という話。コストが安いので最悪全部溶かして作り直す、というドラスティックなことをやるかどうか。

そこで出てくるのは「両ブランド残したままでホールディングスにぶら下げる」で、これは一見玉虫色ではあるものの、現実的ではある。バックオフィスの統合などである程度の効果は出せるかもしれない。また、両方名前は残るので明確な勝敗がついていない現状で当事者が納得しやすい方法でもある。

ということで、合併する場合のシナリオとしては一旦両サービス存続で統合、その後こっそりそれぞれの新商品の規格をまず統一し、市中在庫が一巡したタイミングで新型発表を手土産に上場(ついでにEV事業に参入)、を予想としたい。春節前にはわかるだろう。