马蜂窝(マーフォンウォー)は最も成功した旅行口コミサイトで、最近また調達に成功し、その企業価値は25億ドルに達するとみられている、いわゆる中国屈指のユニコーンだ。中国で若者が旅行にいくとなれば、ほぼ確実に1回は目を通すサイトと言っていい。

しかし2018年は間違いなく、马蜂窝にとって災難の年だろう。W杯で大量に投下したブランド連呼広告がうざいとネット上で袋叩きにされ、ロシアの宿を予約した青年にギリシャの宿を間違えて取ってしまい、また炎上した(これは当事者へのインタビューをもとに当サイトで記事にした)

W杯期間中に大炎上したTVCM

その彼らに、おそらく今年最大の危機が訪れている。とある微信のアカウントが10/20に発した記事「独家|估值175亿的旅游独角兽,是一座僵尸和水军构成的鬼城?(訳:独占、175億元の価値がある旅行系ユニコーンサイトは、ゾンビと水軍が徘徊するゴーストタウンか?)」がその震源地だ。

告発の内容を簡単に言うと「2100万のユーザーの声から成り立っているという宣伝文句だが、実はその大部分がほかの口コミサイトからのパクリである」というもの。例えば下記。同一の女性として登録されているアカウントの3つの投稿だが、2で「妻と」レストランに行ったことになっている。

そして、7454のアカウントが、携程、艺龙、美团、Agoda、Yelpから合計572万のレストラン評、1221万のホテル評を剽窃していると告発している。

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他サイトからのパクリを適当につなぎ合わせていると当然整合性は取れず、下のように「性別が女性なのに彼女とホテルに泊まり、同じ日に違う都市で夫とホテルに泊まり、数時間後に『彼女と泊まって楽しかったから』また別の都市のホテルに好評を送る」といった矛盾が起こる。

この公式アカウント小班長2号は205人の大众点评のコメントをパクって963のコメントを捏造しました。

また、Yelp!などの英語コメントを翻訳サイトを使って訳しているため「この文章はXXで翻訳しました」のような定型文も一緒に載せてしまっている。これは21日現在、Googleのサイト内検索を使ってもまだ確認できる

またほかにも、サイト内で行われているキャンペーンに2回も「偶然当選した」のが従業員であると暴露したりもしている。

そしてトドメが、コメントが寄せられている時間や曜日の分布解析だ。レストラン最大手大众点评と比較し、傾向が全く違うとしている。昼休み、終業後、土日に発せられるコメントが少ない…要するにコピペ作業員が休んでいるためだろうとこき下ろしている。

週末残業しないんすか!?
昼休み?仕事終わり?

そしてどうやら、马蜂窝の主要な機能である旅行記やQ&Aに関してまだ隠し玉があるらしく、詳細なレポートともに21日の公開を予告している。

马蜂窝は「21日中にコメントを発表できる」としているが、 ざっと見た限り、根拠が弱いものはあれど多くの角度からそれなりのデータをもって論証されており、言い逃れの余地は小さいように見える。どう反論するかが見ものだ。

10/22追記:
上述したように告発側からは「21日中に詳細なレポートを」とアナウンスされていたが、23時30分を越えてようやく公開された。内容は間接的なものが多く、限りなく怪しいながらにこれだけで何かを言えるような内容でないものも多かったため紹介しないので、暇なら読んでみるとよいと思う。「詳細なレポート」は中国式の縦に死ぬほど長いjpgが百度云盘上で公開されている(のちに削除されたので、当サイト内に上げなおした。クリックしてDL)。これもそこまで面白い者でもないが、根気があれば読んでみてもいいかもしれない。